生涯教育計画論 7/22 講義ノート

前回の共同学習

「良質」な理論、本を見つけるのは難しい。
A:自分にあったものとの出会い。
 人間も、理論も、本も、完全ではない。アクション・リサーチ、モニタリングの観点で、少しずつ改善、発展、発達
 マルクス主義のように危険で魅力的でデモーニッシュな思想に出遭っても、私を含め多くの青年・学生が何とか生き抜いている。

「集団的自衛権」
A:議論すべき。

案内:
後期 教養基礎科目「ヨーロッパ-ドイツの窓」
時限:木曜4限  教室:A207
 今年度は、ドイツ人に英語授業を依頼することになりました。
 講師は、タマラ・シュナイダーという女性で、専門は、美学美術史。ホイッスラーというアメリカ人の画家を中心に19世紀後半のジャポニズムを論じた博士論文が今秋刊行予定です。
 カッセルからヴァルトブルク(大阪から名古屋くらい)まで、テントをもって自転車旅行をする行動的な面もあります。ヴァルトブルクはルターが聖書を翻訳したお城で、山の上にあります。
 他にも、アルバイトで森林官の助手をしていたとか、美術館で、中世の占星術の講演をしたこともあったりとか、で、エピソードには事欠かないようです。


前回の続き

4-11)総合的な評価として、東洋的な観点を考える

4-11-1)
5W1H(Where、What、Who、When、Why、How)の分析的な捉え方と
 「空気」や「世間」などの大ざっぱな捉え方との対比

 「360度サーベイ・評価)」や「BSC(バランスト・スコアカード)」に対して、

4-11-2)発展
 「天地人」
 大ざっぱというより大局的な捉え方として

語源:「孟子曰、天時不如地利。地利不如人和。」
 「孟子曰く、天の時は地の利に如かず。地の利は人の和に如かず。」
 『孟子』「公孫丑」篇
 「天地人」はその省略。

 この観点、視座により
 趨勢、動勢、全体状況の総合的な判断、特に瞬時の即断では、分析的より大局的な捉え方が優る。
 それを「実践感覚」に連接する。

4-11-3)
復習を兼ねて
 帰納法と演繹法の統合。
  「一即多、多即一」の弁証法、
  ポイエシス(生成)とゲネシス(制作)の弁証法(西田幾多郎、三木清)

4-11-4)参考
「状況」
 特にサルトルの実存主義で使われた。

「情勢」
 学生運動、社会運動で使われた。


4-12)近年の動向:報道から

社員の教育訓練 過去最低に
 正社員に対して研修などの教育訓練を実施した事業所の割合は平成20年度でおよそ68%と、過去最低の水準となったことがわかりました。厚生労働省は、景気の悪化で社員教育への支出などが減ったのが要因ではないかと分析しています。
 2010/04/18 05:02 NHK

社会人の「学習意欲」を高めるには?――2020年の学びとキャリア
 2012年7月5日(木)10:15 ダイヤモンド・オンライン
 これまで、個人の学習意欲について、「授業以外で学ばない人が増えている」「詰め込み型教育が意欲を低下させている」など学校段階を中心に語られることが多かった。しかし、こうした学習意欲の低下問題はいまや社会人についても例外ではない。当研究所の調査によると「最近1ヵ月間に自分の意思で学び行為や活動を行った社会人」は5人に1人に過ぎない。また、特に深刻なのは会社を支え、引っ張っていく重要なポジションにあるはずのミドル世代における学習意欲の極端な低下である。

「将来の経営幹部育成に向けた『選抜人材教育』に関する調査」
 発表 2012/07/05 (財)日本生産性本部(理事長:松川昌義)
 この調査は2004年から計6回実施しており、幹部育成に向けた選抜人材教育の現状と課題を明らかにすることを目的としている。今回の調査では、これまでの調査内容に加え、グローバルリーダー教育に関する項目を加え、日本企業における実態についても調査を実施した。
 主な調査結果は以下のとおり。
 1.大企業の約9割が、将来の幹部育成を目的とした選抜人材教育に「おおいに関心がある」と回答。
 選抜人材教育の関心度合いに対する質問に関して、「おおいに関心がある」と回答した従業員3000人以上の大企業が2009年度の前回調査時(60.9%)よりも26ポイント上昇し86.9%となった。また、現在、選抜人材教育を実施している企業の約6割が、今後も「今以上に力を入れる」と回答し、過去最高となった。
 2.6割を超える企業が選抜人材教育の見直しの必要性を感じており、特に「内容の見直し」が68.3%と最上位となった。
 選抜人材教育を実施していると回答した企業において、選抜人材教育の見直しの必要性を「おおいに感じている」「やや感じている」と回答した企業は6割を超える結果となった。また、見直しの必要がある点について、内容、予算、対象層、選抜方法、教育期間等のうち、「内容の見直し」が必要であると回答した企業が68.3%となり、最上位となった。
 3.7割を超える企業がグローバルリーダー教育に関心を持つ一方、実施している企業は24.2%にとどまった。
 今回新たに項目を加えたグローバルリーダー教育に関しては、「おおいに関心がある」「やや関心がある」と回答した企業が7割を超え、関心の高さがうかがえる結果となった。一方、実際にグローバルリーダー教育を実施している企業は24.2%にとどまり、30.8%の企業が実施の方向で検討しているという結果となった。(3ページ参照)
 4.約8割の企業では海外赴任にあたっての英語能力の基準を設けておらず、基準を設けている企業でのTOEICの平均点は649点であった。
 現在、海外赴任にあたって必要とされる英語能力の基準については、81.5%の企業において「基準はない」という結果となった。なお、英語能力の基準を設けている企業への追加質問では、34社中32社がTOEICを基準にしており、その平均点は649点となった(最大値:800点、最小値:470点)。


5)リーダーシップとチームワーク

5-1)メンバーとリーダー
 メンバーは、いつでもリーダーになる用意があるくらいの心構えを持つべきであり、責任ある役割は人にやらせようという無責任な人任せであってはならない。
 自立した市民の自由、民主、権利など普遍的な価値に立脚して。

 民主主義、民主教育の施設としての公民館の運営、そこでの専門職員としての公民館主事も、この精神から(復習)。

5-2)リーダーシップ、指導力、
 人間関係、コミュニケーションの実践力

 人に働きかけ、動かす力であるが故に、
 moral (道徳)とmorale (士気)

 組織規模と機動力の統合
 トレードオフ、背反、アンビヴァレンツにせず、矛盾から発展に導く。そこに主体的な力量が求められる。リーダーやチームの力量。

 結集の力と展開の力の組み合わせ、臨機応変の活用、「実践感覚」(原論の発展、後述)


#古典の一つ
カーネギー、デール/山口博訳『人を動かす』(創元社、1958年)
 原著How to Win Friends and Influence Peopleは1936年刊で、長年ベストセラーとなった。


6)計画のための対話、協議、合意形成、目標設定、そして実践

6-1)プラン/プログラム
   マクロ的/ミクロ的、巨視的/微視的、長期的/短期的
 現状から目標への時間
 それに伴う実践
 それぞれを区別しつつ統合的に考える。

 長期的には、これまで「教育は百年の計」の視角から講義してきた。

 高度情報社会における即応、即断、即決
 さらに、先を読む
 「過現未」の長期的~短期的な各レベルの重層的な時間論、時間感覚、そして「実践感覚」


6-2)ニーズ(要求と必要)と目標、目的

 主観と客観、個人と社会の交叉するところの具体的課題

 民主主義が基礎、その民主主義を担う市民を育成するのが社会教育、自己教育

 ニーズに基づく目標、目的の設定
 そこにおける個人~国家、民族、世界

 住民が目標を掲げて事業に参加し、諸要求を集約し実現する、下意上達、ボトムアップ
 自治体が国政の目標に即して事業を推進する上意下達、トップダウン

 「一即多、多即一」の弁証法


6-3)中間管理職、連絡調整役の困難、苦悩、工夫

 下意上達(ボトムアップ)と上意下達(トップダウン)の接点における「連結ピン(linking pin)」(復習と発展)
 その上向きと下向きの影響力
 下から上へのベクトル(力の向き)が大きい方が、企業の活力が大きい。
 産業民主主義、経営参加の力量

 権利と権威の交叉、矛盾、それを止揚へと進められるか否か、力量が求められる。

その困難性、それ故の中間管理職の苦悩
 そして、受講生の君たちの多くはそうなるだろう。だから教える。苦労するが、それを嘆くだけでなく、その苦労を心の片隅で楽しめるだけの余裕、力量を獲得してもらいたい。


6-4)参考:
 一般市民と革命党の間における「中間」

イタリアの共産主義者アントニオ・グラムシ「新君主論(マキャベリ・ノート)」における「関節」
 『グラムシ選集』第一巻、合同出版、一九六一年、一一二~一一四頁では、
(1)「平凡人、普通人の広範な要素」、(2)「一貫した、主要な要素」、(3)「中間の要素」が挙げられ、第三の「中間の要素」は第一と第二の「あいだの関節となり、両者の『物理的な』つながりだけでなく、道徳的、知的なつながりをもたもつ要素」であり、「どの党にも、この三要素間の『定比』があって、この比が実現されると、最大限の効果が発揮される」と述べられている。
 →「民主的集中制」と「官僚的集中制」(一一七頁)。

「新君主論」一一四頁
「闘争においては、敗北する場合をつねにまえもって考慮しておかねばならないから、適当な後継者の準備は、勝利のための活動と同程度に重要なのである。」
敗北主義や日和見主義と異なる。


6-5)参考:
 中間管理職、或いは補佐の注目すべき事例
「上」に優る能力を備えなければならない「中間」

毛沢東氏と会談しなかったキッシンジャー氏 男の嫉妬恐れた
  NEWS ポストセブン 7月28日(日)7時6分配信
 1971年7月9日、キッシンジャー米大統領補佐官(当時)の秘密訪中は世界史を劇的に変えた事件として世界を驚かせた。キッシンジャー氏は翌年2月のニクソン大統領の電撃訪中のお膳立てをするため、わずか2日間の北京滞在中、周恩来首相とは17時間も会談しているが、毛沢東主席とは会談していない。その理由を42年後にキッシンジャー氏が初めて明かした。
 キッシンジャー氏は今年7月3日、上海を訪問し、江沢民・元国家主席と会談、これまで会った5人の最高指導者についての思い出を語った。その際、キッシンジャー氏は1971年7月の最初の訪中で、毛沢東主席と会談していなかったことに言及した。江氏からその理由を尋ねられると、キッシンジャー氏は次のように答えた。
「なぜならば、ニクソン大統領が中国の最高指導者である毛沢東主席と会う最初の米国政府指導者になりたかったことを私はよく分かっていたからだ」
 しかし、実はキッシンジャー氏も毛主席と最初に会った米政府高官という栄誉を手に入れたいという思いが強かったという。
「北京滞在中、私が毛沢東主席との会談を希望すれば、中国側は受け入れることが分かっていた。しかし、私が望まなければ、中国側も敢えて毛主席と会わせるということをしないだろうということも知っていた」とキッシンジャー氏は語ったうえで、「もし、私が毛主席と会ったとして、どうなるだろうかと考えてみた」と述べた後で一拍置いて、そのチャンスを捨てたわけについて、次のように述懐した。
「私がワシントンに帰り、ニクソン大統領と会ったとき、大統領がその栄誉を奪われた不愉快さで、私を怒鳴りつけるのではないか。私は、本当は毛主席に会いたいという強烈な願望を抱いていたが、後のことを考えて、必死になって、その欲望を抑えたのだ」
 つまり、キッシンジャー氏が毛主席との会談を言い出さなかったのは、ニクソン大統領の「男の嫉妬」を恐れたからだった。
 仮に、キッシンジャー氏が毛主席と会っていたとしたら、ニクソン大統領は嫉妬のあまり、キッシンジャー氏を疎んじ、翌年2月のニクソン大統領の電撃訪中は実現しなかったかもしれず、その後の世界の歴史の流れが大きく変わっていた可能性もある。
 自身の欲望を抑えることができないような人物ならば、大きな仕事はできないことをこのエピソードは物語っているといえそうだ。

→ストラテジーとタクティクス(後述)


6-6)日本的な中間管理職の表現、用語

「肝煎り」、「肝入り」:
 双方の間を取りもち、肝を煎り、心を砕き、世話を焼くこと、また、その人。江戸時代、幕府の職名(高家肝煎・寄合肝煎など)、さらには村役人として使われた。

→課題研究など

 以上を社会教育主事、図書館司書、博物館学芸員など専門職員は、それぞれの法制度、政策、住民・利用者の要求などを多角的に考え、総合的に判断し、実践する。


7)ボタンティア(volunteer)

7-1)語源、語義
 原義は「志願兵」
 その語源はラテン語のVolo(ウォロ、英語のwillの語源)
 その対義語は、draft=召集兵、徴兵
 

ボランタリー(voluntary)は「自発的」を意味する。

ボランタリズム(voluntarism)は、自主性、自発性を基調とする精神

自発的な「志願」と、最も厳格な命令服従の組織の「兵」
その「絶対矛盾の自己同一」的な存在

第三セクター、NPOは、現代的な「総動員」、「総力戦」(先述)は、決して的外れな喩えではない。

7-2)「絶対矛盾の自己同一」な性格に関して

sujectの「主体」、「主語」と「臣下」の二義性

碓井、「トレーガー」
担い手(エージェント)


 自律・自立、自助、向上心と、それらに密接に関連する競いあいとのバランス、弁証法。
 競いあいをなくして、助けあいだけを強調する問題。過保護・・


7-3)ヘブライズムの隣人愛(復習・発展)

聖書「ガラテア人への手紙」5章13節より
「あなたたちは、自由を得るために召し出された。ただ、この自由を、肉に罪を犯させる機会とせず、愛によって互いに仕えあいなさい。律法全体は『隣人を自分の如く愛せよ』という一句により全うされるからです。」


7-4)価値の創出

 再再度、ドラッカーの思想的発展を踏まえて考える

生産:労働価値
流通:交換価値
消費:使用価値・・これはマルクスが考究した(剰余価値の搾取も)・・先述

ボランティアは、この枠組みを超えた、価値の創造。


7-5)日本におけるボランティアの精神や実践

 かねてから血縁・地縁の共同体の相互扶助、奉仕があったと思われる。

 「悲田院」、「施薬院」などの救済活動(大阪の四天王寺等)

 「三方よし」の「世間よし」(先述)

 民生委員制度
 岡山県では、ドイツのエルバーフェルト市(現在のヴッペルタール市)とライプチヒ市での「救貧委員制度」を参考に、1917(大正6)年に「済世顧問制度」を始め、翌年、大阪府は「方面委員制度」を始め、それが民生委員制度へと発展した。

 英米のセツルメント、日本への導入(東京、岡山、神戸等々)
 帝大セツルメント
 戦後、東大セツルメントとして復活、
 学生セツルメントとして全国展開
 その起点としての亀有セツルメント(1970年代の一端は『アイデンティティと時代』参照)

 宮本憲一「社会資本」論(1960年代)・・先述

 1970年代、「コミュニティ」政策の推進において「コミュニティ・ボランティア」の考えが現れた。しかし、一部の「奉仕」のイメージがなお強かった。
 経済的にも時間的にも余裕のある少数から、「豊かな社会」の形成において多数の
 その過程で、無償か有償かの議論も起きた。


7-6)ボランティアの実践の学習的な機能

 私は、八〇年代後半から東京都社会教育行政との関わりで社会教育とボランティアに関するプロジェクト研究を進めた。
 その中で、経験の「再構成」論(デューイ)や「再分肢」教育論(宮原)を踏まえ、ボランティア活動における学習、そして教育的な機能を提起した。

 これは、企業内教育のOJTとOffJTの関係と相同。
 「不定型」と「定型」、形成と教育という枠組みにおいて。

「生涯学習と社会教育 のひろがり-福祉関連事業にみる関連部局との連携の方向-」東京都教育庁生涯学習部、1991年
「生涯学習と社会教育のひろがりⅡ-社会教育活動とコミュニテイ・ボランティア-」東京都教育庁生涯学習部、1992年
「ボランティア活動の新しい動向と社会教育-社会教育職員の役割を探るために-」東京都教育庁生涯学習部、1993年
「障害者対象社会教育事業検討委員会中間報告」東京都教育庁生涯学習部、1993年
「ボランティア活動と生涯学習」東京都立教育研究所、1994年
「主体的学習と自立・共生をめざして」東京都教育庁生涯学習部、1994年


7-7)ボランティアの展開
 ボランティアの広がりの中で、様々な問題が意識化されるようになった。
「嫌われボランティア」『ボランティア情報』第178号、1992年3月1日
「ボス・ボラ」、「『こだわり』ボラ」、「本末転倒ボラ」、「これ一本主義」、「言うだけボラ」、「しぶしぶボラ」等々
 →欺瞞、偽善にもなりかねない。
 これは奉仕でも同様だが。

7-7-1)参考事例
 2011年6月15日「朝日新聞」
「政治家は現場の声を政策に生かして」 民主議員の被災地ボランティアめぐり運営側
 東日本大震災の被災現場で、政治家はどのようにボランティアに向き合うべきか。民主党の国会議員や地方議員、秘書ら約40人が11日に宮城県南三陸町を訪れ、5時間ほどボランティア活動をした際、ボランティアを指揮する人が足りない、との声が上がった。しかし、地元のボランティア運営団体からは「表面的な指摘だ。もっと現地の声に耳を傾けてほしい」との異論が出ている。
 同党の牧山弘恵参院議員は12日のツイッターで、同町に到着後、作業を始めるまで「3、4時間(あった)」として「朝やってくるボランティアをすぐさま使いこなすことが大事」と指摘。14日の参院内閣委員会でも「作業を計画し、振り分ける人が足りない。人材を多く現地に送るべきだ」と述べた。
 これを知った同町災害ボランティアセンターの影山伸一さんは、作業開始まで時間がかかったのは「道路事情がよくないのに、民主党議員らが大型バスで来た。そこから現地までワゴン車で運んだから」と反論。その上で「ボランティアを指揮する人材不足は事実だが、人を派遣しても簡単にコーディネーターにはなれない。すでにコーディネーターとして活躍する人が被災地に長くとどまれるような、金銭的な支援も含めた制度の整備が最も大事だ」と強調した。
 今回、現地スタッフと議員の間で公式な意見交換の場はなかったといい、「国会議員がボランティアに来るのはよいことだが、もっと現場の声を聞き、実際の政策に生かす努力をしてほしい」と話している。

・現場で必要なことと、ボランティアの希望のマッチングの問題。
・ボランティアがやりたいこと、やれること、現場が必要なことを連絡調整する役割が必要。
 それは、緊急時における社会教育主事の任務の一つ。


7-8)「ボランティア元年」
 1995年の阪神・淡路大震災を契機にボランティア、NPOの広がり。
マスメディアを通して全国規模で展開し、「ボランティア元年」と言われる。
「元年」とは、国民的な共通認識に至ったという意味で。


7-9)専門職員(プロフェッショナル)とボランティア(アマチュア)
様々なボランティアの協働・共同

誰でも、何時でも、できることを~
 「プロフェッショナル・ボランティア」(高い専門性を発揮するボランティア)

特に、緊急時の機動的なチームとして


8)実践感覚(P.ブルデュ)

 様々な思想、理論、アイデアを「現場」で「空気」を「読み」、瞬時に使いこなす。
「知ったかぶり」と思われず、「そりゃ、おもしろい」、「へぇー、いいね」という感じで、仕事を進める。
 『アイデンティティと時代』「実践感覚」p.27、「実感信仰」p.33。


8-1)日本的な実践倫理、特に生き方、闘い方、美意識、文学に関わり

 復習を兼ねて「白鳥蘆花に入る」、「煙仲間」
 「非凡は平凡の積み重ね」・・日々の錬成による非常時の実践力

芸道
 世阿弥の「離見の見」『花鏡』・・芸道

茶道
 千利休の「一期一会」、「守破離」の意義


8-2)武道(武士道)
 間合い、間積もり・・剣禅一如の戦闘的非暴力的解釈とともに。

 そして、先、先の先、後の先、、、を読む。
 先を取っても、それで勝って終えなければ、相手は返す(リターン)。その返すのを「先」とすれば、そのさらに「先」を読み=先の先、また、その先に応じ=後の先、常に先を取る。

 「残心」

参考:吉田兼好『徒然草』第一〇九段「高名の木登り」

集中しても無我夢中にならない。
最後の最後まで油断しない。
自己分析に通じる。


8-3)文学
 参考:村上春樹、安西水丸『村上朝日堂』新潮文庫、一九八七年、二六~二七頁。「たしかに文章というのは量を書けば上手くなる。でも自分の中にきちんとした方向感覚がない限り、上手さの大半は『器用さ』で終わってしまう。/それではそんな方向感覚はどうすれば身につくか? これはもう、文章云々をべつにしてとにかく生きるということしかない。」
 *村上はエルサレム賞授賞式(二〇〇九年二月一五日)で、「高くて固い壁」にぶつかり「壊れる卵」という比喩で、体制や組織に抵抗し続ける人間の営為を評価し、「私は常に卵の側に立つ」と表明した。この「壁と卵」の比喩は、専制体制下で人権擁護や民主化に努力している人士を励ましており、日本人はもっと知るべき。

・・社会教育課題研究など、グループ・ワークやフィールド・ワークの訓練へ。

・・高校までの学力、大学での教養・専門、様々な経験を活用する総合力


9)プラン/プログラムの発展

 ストラテジー(戦略)/タクティクス(戦術)
 長期的/短期的……

後者は、非暴力の闘争論(戦闘的非暴力)の脈絡でリーダーの役割を考える。
 ・・卒業後は競争、闘争の場で働かねばならない。

 率先、先導、先鋒隊・・前進、突破
 後押し、後始末、殿軍・・前進の気概で後退、突破

  ストラテジー(戦略)とタクティクス(戦術)
  War と Battle
 戦闘に勝利して戦争では敗北することがある。

 非暴力の立場で参考とすべき。
 文明社会における「戦闘的非暴力」(ガンディー、キング、エリクソン)

 力の結集(密集)と拡散(散開)
 特に、高度情報化とグローバル化における規模の拡大と迅速化の矛盾の統合
  統制と自由(エネルギーが最大限に発揮されるのが内発的に取り組む時!)

9-1)善と悪の臨界点
 戦略と策略、暴力の臨界点の見極め

 Honesty is the best policy.
 「正直は最良の方策」、「正直の頭に神宿る」を踏まえた上で、
 
 やむを得ないとして、内心で「主よ」、「南無」などと念じつつ、、、

9-1-1)西洋
「蛇の如く賢く、鳩の如く素直なれ」聖書「マタイ福音書」第10章16節(先述)

ホルクハイマー、アドルノ/徳永恂訳『啓蒙の弁証法―哲学的断想―』岩波文庫、2007年、p.125では、オデュッセウスを評価し「詭計とは合理化された反抗」と述べている。

9-1-2)東洋
 老子の「柔弱は剛強に勝る」(『老子』第36章)や「弱の強に勝ち、柔の剛に勝つ」(78章)などで、策略を用いて、弱くても勝てるようにすることを賢いとする。日本人にはずる賢いに近いと、私は評定している。
 「柔よく剛を制し、弱よく強を制す」(『三略』上略篇)も、日本の柔道で考えられている意味とは異なるように思われる。
 このような民族的な相違は「和を以て貴しとなす」の意味の違いにも通じる。
 2014年5月24日ブログ参照:
 ニックネーム「うどん」さんとの対話:十七条憲法の精神、三権分立に先駆する権力の分散と合議

9-1-3)日本
 「うそも方便」

西郷隆盛
「作略(さりゃく)は平日致さぬものぞ。作略を以てやりたる事は、其迹(あと)を見れば善からざること判然にして、必ず悔い有る也。唯戦に臨みて作略無くばあるべからず。併し平日作略を用れば、戦に臨みて作略は出来ぬものぞ。孔明は平日作略を致さぬゆえ、あの通り奇計を行われたるぞ。予嘗て東京を引きし時、弟へ向い、是迄少しも作略をやりたる事有らぬゆえ、跡は聊か濁るまじ、夫れ丈けは見れと申せしとぞ。」(『西郷南洲翁遺訓』三四)

 西郷隆盛の思想や精神について、キリスト教徒の新渡戸稲造の『武士道』を参照。


9-1-4)経験論として
 目的が良ければ、手段の良し悪しは問題にならないということではない。目的と手段は密接に相関している。

 →『アイデンティティと時代』p.118の「開票前の投票箱の開封」
  たとえ「人類解放の闘争」のためであっても、すべきではない。
 目的は手段を正当化しない。理想が無謬に変質し、傲慢を呼び、、、

 やむを得ずが常習にならないためには、内心に関わる道徳・倫理が重要で、この観点から「戦闘的非暴力」も重要。


9-2)モラル(道徳)とモラール(士気)・・発展

帝国主義に対して
 エルネスト・チェ・ゲバラ、世界革命運動情報編集部訳『国境を超える革命』インパクト出版会、1982年、p.8「ゲリラ部隊、つまり優秀な人民軍はひとりひとりが、世界中で最良の兵士の最良の徳性を備えていなければならない。それは厳格な規律に基づいていなければならない。」
p.261「軍の道徳はたがいに補い合う二つの面をもっている。語の倫理的な意味での道徳(モラル)があり、その英雄的な意味での士気(モラル)がある。いかなる武装部隊も、卓越するためにはいずれの道徳をも兼ね備えなければならない。」
 moral (道徳)とmorale (士気)


ファシズムに優るためには、ファシズムを理解し、その力に勝る力を備えた民主主義にならねばならない。

自己を絶対化して、地下工作を含めあらゆる政略を合理化する(目的のためなら手段を選ばない)イデオロギーや組織に優るためには、それを理解し、それに優る民主主義にならねばならない。

高度情報社会において、潜在意識に作用する巧妙なプロパガンダに対しては、それに優るメディア・リテラシーが求められる。

そして、それ程の力量を獲得しても、それを悪用しない徳=活力(vietue)、人間的強さが求められる(人間形成、原論の復習・発展)。
「ミイラ取りがミイラに」なり、非人間化しないために。

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