対話1002 アジア解放のはずの皇軍 人民を解放するはずの人民解放軍 独裁vs.民主化

1.
 以下のコメントをいただいた。

 東映「大日本帝国」ですが、シンガポール攻略戦において、兵士が華僑のレジスタンスに止めを刺した後、「英米からアジアを解放するためなのに、どうして敵になるんだ」とつぶやくシーンです。つまり、皇軍は解放者なのに歓迎されていないことに対して戸惑っているというものです。
 そして、最近の報道によれば、香港で若者達が中共に強く反抗しております。中共からすれば長年にわたる英領植民地時代は、人種差別であり国辱でもあり、それが返還されることは中華世界と漢族からすれば喜ばしいはずなのに、近代西欧の意識を学んできた香港市民にすれば、中共など受け容れられるはずもなく、むしろ英領植民地でありつづけることを望むのではないかと思います。この若者達の抗議行動を見るに、映画「大日本帝国」におけるシンガポールのレジスタンスと同様であり、そんな彼らを理解できない中共は、まさに映画における皇軍と同じ立場であると思います。

2.
 授業が始まり、慌ただしく、十分に考えきれずに述べるので過不足、間違いは、どうぞ寛容にご指摘を。
 西洋の覇道に対する東洋の王道の大アジア主義では、シンガポールを植民地から「解放」という説明ができるだろうが、大アジア主義と大東亜共栄圏は別で、大アジア主義の代表に日本は選ばれ、合意されたのかという点が問われる。民主的な合意形成ではなく、武力によるというのが、歴史的評価であろう。
 そして、華僑は中華思想で日本を代表などと思わないだろう。しかも、今のシンガポールも同様だろうが、英国の資本・利権と華僑の資本・利権の結びつきは強い。
3.
 香港の場合、英国から返還された時は、中共は嫌い、恐いという者は海外に逃れ、他は同胞が来て、ようやく「解放」されたという雰囲気が強かったと記憶している。しかし、十数年経ち、一党独裁の圧力、腐敗が強まり、これではイヤだと気づき、こうなったと考える。つまり、中国・漢民族では同胞意識があるが、一党独裁は違う。
 返還当初は「改革開放」で、経済が自由化され、政治も民主化されると期待されたが(天安門事件以後でも!)、その見込みがなくなり、むしろ統制が強まり、さらにはバブル崩壊のツケが回され、腐敗も及んでいる。
 日常的には、本土から汚染が広がるだけでなく、粉ミルクを大量に買い込みにドッと押し寄せてくる。
 このような意味で、一党独裁の環境汚染、政治の汚染=腐敗汚職、経済の汚染=不正や格差拡大、文化の汚染=人心の荒廃等々、間近に実感し、たまらないということで、独裁vs.民主化という構図だと考える。
 次の授業に行かねばならず、不一。

"対話1002 アジア解放のはずの皇軍 人民を解放するはずの人民解放軍 独裁vs.民主化" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント